基板作成に秋月の十字配線ユニバーサル基板を用いることが多い。
通常のユニバーサル基板は実装時にパーツの脚などで結線する必要があるが、不器用なので苦手である。この基板は各スルーホールが裏面で結線された状態となっており、あらかじめ必要な配線状態にカットし使用する。
配線を交差させる場合は別途結線が必要であるが、簡易な実装であれば最低限ですむ。
秋月の製品紹介ではカッターやルーターなどでカットして使用するという記載があるが、どういうやり方がよいか紹介しているページがなかったので、私のやり方をまとめてみた。
20200907_01_十字線入りユニバーサル基板
拡大してみるとスルーホール同士がつながっている。
20200907_02_十字線入りユニバーサル基板拡大
配線が固まったら以下のようにマジックでマーキングしていく。
メリットは配線を面で出来るため、GNDを大きく取っておくことであとからテスターで当たる際にとてもやりやすくなる。以下の配線例は基板外周をすべてGNDとして扱っている。表面から適当にあたってもGNDを取れるのでデバッグしやすい。
20200907_03_マーキング済み
次にマーキングに沿ってカッターまたはルーターで結線を切っていく。
カッターで切っていく場合はこのような感じになる。隣り合う区画で導通していないことはテスターで確認しておく。
20200907_04_カット済み
ルーターでカットするとこのような感じになる。カッターより楽だが細かな場所は難しい。
20200907_04_カット済み_ルーター配線
試しにどの程度の切れ目を入れれば導通しなくなるか試してみた。
カッター
20200907_04_カット済み_カッター
ルーター(先端球形)
20200907_04_カット済み_ルーター1
ルーター(先端ダイヤモンドカッター)
これは1マス分(2.54mm)のカットは難しい。
20200907_04_カット済み_ルーター2
先端がダイヤモンドカッターのものは一気に基板が切れるほどの威力なので取り扱い注意
20200907_04_カット済み_ルーター3
配線カットが出来たらパーツを実装していく。20200907_05_実装済み
パーツの脚をカットした段階で配線済みとなる。
ハンダ滲みやクズで導通してしまっている場合があるので実装後に再度適切な抵抗値になっているか確認を行う。実装後の配線面の見た目がとてもよい。
マーキングしたマジックによっては通電性があるので電子部品洗浄剤などで洗い落としておく。この時水気はキムワイプなどの毛羽立たないものでしっかりととっておく。
20200907_06_実装カット済み
使用したルータはこれ。ダイソーで800円。替刃も購入したのでさらに400円かかっている。
連続使用時間が5分だが、パターンカットと導通確認を順に行えば連続5分も使用しない。
20200907_04_カット済み_ルーター本体
標準で入っている歯(先端球形)はこれの左側。
20200907_04_カット済み_ルーター歯2
切断用のダイヤモンドカッター(右上)はこの替刃を使用。
ダイヤモンドカッター以外は2.54mm以上の切断面になってしまうので細かな作業には向かない。スルーホールごと削ってよければ試してみても良いかもしれない。
20200907_04_カット済み_ルーター歯
ダイヤモンドカッターは別途こちらのマンドレルが必要。
20200907_04_カット済み_ルーターattach

KiCadで基板レイアウトを作成してからカットするとやりやすいのでまた次の機会に説明しよう。

おしまい。

-- 追記 --

ルーターは手元のスイッチをONにすると動作する。
しかし停止させる際にもOFFにする操作が必要である。
とっさに停止させることが出来ないので足で踏んでいる間だけ動作するように下記のフットスイッチを接続してみた。
フットスイッチの先端はケーブルがむき出しなのでルーターのケーブルに接続するだけで完了。
手の操作が不要になったので作業しやすくなった。
※ 改造は自己責任でお願いします。

20200923_フットスイッチ

おしまい。